「個の力の最大化」が体現された社会を目指す
column
- コラム
話し手:取締役 中島 亮
ビジネスとして成果が現われ始めた1期目の終盤で
── Ballistaへ入社を決めた思いからお話いただけますか?
代表の中川とは前職が同じだったこともあり、彼が会社を立ち上げるタイミングで話を聞いていました。その後情報交換する中で、彼が実現したいことや解決したい社会課題などに共感し入社を決めました。
彼が起業したことに対してそれほど驚きはなく、むしろ、想像できた感じですね。彼はもともと動き出しが早くアジリティの高い人で、その部分は彼の強みだと思います。起業した際も動きがとても速くさすがだなと。
− Ballistaに入社してからの取り組みを教えてください。
Ballistaは大企業のみならず、大手コンサルファームの手が行き届かないような、相対的に小規模の企業様に対しても必要なサービスを提供すること、そしてメンバーには個々人の能力を最大限発揮してもらいながら、適切な評価と報酬で還元していくことを、設立時から大事にしながら日々活動しています。
参画いただいているみなさんに安心して働ける環境づくりとして、可視化された評価制度の設計を構築したところです。
またプロフェッショナルギルドのスキームの使い方などが、ビジネスとしてある程度は組織化され、1期目の終わりにようやく結果として現れてきました。
今後さらに事業拡大していくために、現在は会社としてのミッション・ビジョン・バリューの再定義に着手しているところです。ここは対外的・対内的にも訴求していかなくてはならないと考えています。
細かなメッシュで定義した課題に対し、第3軸としてナレッジや人材を提供する
── プロフェッショナルギルド「Yoake」を本格運用し始めて半年ほどが経ちました。どのような変化がありましたか。
もともと数名でスタートした事業ですが、現在の登録者は300名ほどまで拡大しました(※2023年9月時点)。ある業界や業種、あるいは何かのソリューションに強みを持ったプロフェッショナルの方々がそれぞれ能力や才能を持つ存在として、多様な人が集まってギルドを組成していただています。プロジェクトの組成に関しては、多様な人材がいることが強みであり、コアなバリューだと思います。
例えばインダストリーの軸では製造や流通、小売や金融など多様な業界・業種から、ソリューションの軸でも組織・人材やマーケティング、データ分析などさまざまな得意分野を持つ方に集まっていただいています。
そこを強みとしながら、お客様や社会の課題に対して、スキルを持つプロフェッショナルの皆さんでチームを組成し、解決にあたることが重要だと思います。弊社が提供するサービス自体がコンサルティングか、プロフェッショナルのマッチングかという手段については、あまりこだわってはいません。
「Yoake」の登録者はスタートから半年で300名まで増え、一時期、1日に何人面談しただろうと思うくらい、ものすごいたくさんの方と面談させていただいた時もありましたね。現在は「Yoake」の事業開発メンバーを増強しているところで、今後更にプロフェッショナルの皆さんとの連携の輪を拡大していく予定です。
── 登録しているプロフェッショナル同士による新事業開発などの可能性もあると伺いました。
隔週ないしは月に一度程度で「冒険者酒場」のような、プロフェッショナル同士のオフサイトミーティングを開催し、交流を深めていただいています。さまざまなテーマを設けながら、今まで接点がなかった方同士で、情報交換なども行われているようです。
我々はほとんどタッチしていないのですが、プロフェッショナル同士のコミュニケーションの中で、プロフェッショナル自身が推進しているビジネスに知恵を持ち寄って新たなビジネスが生まれるきっかけになったという話も聞いています。
── プロフェッショナルギルドの最大の強みをお聞かせください。
弊社が目指しているのは、常に変容し続ける企業や社会の課題を「インダストリー×ソリューション」で非常に細かなメッシュで定義しつつ、その領域における成熟度やスキルレベル、タイミングに応じて、ナレッジや人材を提供することです。
まだ進化の途上にありますが、プロフェッショナルギルドは詳細なメッシュから定義された要求・ニーズに答えうる人材を、質量ともに豊富に備えていることが最大の強みです。
課題解決のありかた、サービスの提供の仕方としては、プロフェッショナルやギルドが保有するナレッジの提供という場合もあれば、プロフェッショナル個人でのメンバーアサインという場合もあります。あるいは、プロジェクトマネジメント的に全体プロジェクトを組成しながら、チームとして解決にあたる形態もあると思います。
いずれにせよ細かいメッシュで対応可能な、大量かつ質の高い人材が「Yoake」には数多く参画してくださっていることから、今後はさらに様々なサービスの提供形態が現れてくるのではないでしょうか。
── このような組織を作り、今後さらに展開していく上でどのような課題がありますか?
働き方が多様になり多くの優秀な人材が、フリーランスや個人事業主として働いているのが現状で、この働き方はまだマジョリティとは言えません。
プロフェッショナルギルドとして、優秀な方たちを一定数蓄積・分析して、企業側にも人材側にもサービスを透明化していくことが今後の課題だと感じています。
例えば個々のスキルレベルや強みなどのポイントを、クライアントとプロフェッショナルの間で共有化できれば、さらにプロフェッショナルギルドとしての価値が高まるのではないかと。
多様な働き方や社会に価値を提供するあり方は、今後さらに進展していくと考えられますので、ニーズに対してきちんと提供できる仕組み・体制を構築していくことが重要施策になると思います。
── Ballistaとして今後のプロフェッショナルギルド「Yoake」の運営には、どのような戦略が必要になると考えますか?
クライアントサイド、プロフェッショナルサイド両面に対して透明で平等な仕組みを提供し、多層的に連なる業界構造を大きく変えていきたいと考えています。
クライアントの案件情報の透明性、プロフェッショナルのスキル・経験の透明性を確保し、平等で価値の高いビジネスを組成することで、社会的価値を高めていくこと。
例えば先ほどお話したように、スキルを可視化していく際にはAIなどの分析技術も取り入れながら、提案型で最適な人材をアサインさせるシステムにすることも考えています。
Ballistaとしての知識データベースを最大規模に
── Ballistaとしては、コンサルティングやプロジェクト開発なども事業の軸になると思いますが、今後の展開について中島さんの考えを教えてください。
前提として確かにコンサルティングと「Yoake」を中心としたプロジェクト開発が軸になると考えていますが、最大のポイントは「知識データベース」だと思います。
ギルドやプロフェッショナルのスキル・ナレッジ・リソースを体系化した「知識データベース」を、クライアントや社会が利用したい形態に応じてカスタマイズを可能にし、コンサルティングやマッチングなどに適宜使っていただきたいと考えています。
さらに弊社の価値観や哲学にも関わりますが、これまで大手コンサルファームによるサービス提供が難しかった企業様に対しても、コンサルティング、プロフェッショナルマッチングといった形態で、サービスを届けることが重要だと思っています。
実際に営業活動でもこの考えを基に試みを始めているところですし、今期においては成果も出てきています。
── ほかにも、今後どのような事業の可能性があると考えていますか?
まさに企画の段階ではありますが、これまでのコンサルタントを中心としたプロフェッショナルだけでなく、その他の領域で専門性を持った方に活躍していただくプラットフォームの検討を開始しています。システムやコーポレートといった専門性の深い分野における知の体系を構築することで、これまで参画いただいているプロフェッショナルの方々との新たな価値創出の機会も生まれると考えています。
── Ballistaの将来的なビジョンをお聞かせください。
事業としてコンサルティングにとどまらず、プロフェッショナルギルドのシステムが、世の中に普及して利用されていく状態が望ましいと感じています。
メガトレンドやマクロトレンドなどを踏まえても、適合性はあると思います。
人材のみならず知識データベースとして最大規模のものにしたいですね。
さらに弊社のプロフェッショナルと同様に、世の中の人たちが仕事をきちんと評価され、我々が標榜する「個の力の最大化」が体現された社会を目指します。
── 「個の力」を最大化する原動力は何でしょうか
Ballistaのメンバーと話していると、いつかは地元に帰り地域活性化に貢献したいなど、私以上に夢ややりたいことを持っています。夢が原動力になるのかもしれませんね。
夢を実現するためのケイパビリティを、プロフェッショナルギルドを活用して、どんどん伸ばしてもらえたらいいなと思います。