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JPデジタル 飯田CEOと語る、“個”が光る組織の作り方


全国で40万人以上が働く日本郵政グループのDXを担うJPデジタル。変革をリードするのは、ダイソン日本法人の社長や楽天アメリカ法人の社長を歴任し、2021年に日本郵政グループCDO兼JPデジタルCEOに就任した飯田恭久さんです。Ballistaが目指すプロフェッショナルギルドに近しい「JPデジタル」が進める“個”の可能性を引き出す組織づくりとは。
JPデジタルの”中の人”として創業から携わる、Ballista 代表の中川貴登。1プレイヤーとして、JPデジタル飯田さんと同じゴールを見据え、一緒にJPデジタルの立ち上げやビジネスを作り上げてきた中での気づきややりがい、思いなどを語ります。

「この人となら一緒に突き進んでいける」

飯田恭久さん(以下、飯田):私は、2021年4月に日本郵政グループのCDOに就任し、最初の1カ月で「この組織でDXを進めていくのは難しい」と痛感しました。そこで、2021年7月、日本郵政グループのDXをリードする子会社「JPデジタル」を立ち上げました。このとき、大手コンサルティング会社に支援を仰ぎ、中川さんと出会いました。常駐してもらい、同じ釜の飯を食う仲間として一緒に仕事をしたんです。

中川さんは、コンサル会社の中川としてではなく、このJPデジタルを自分の会社だと思って働いてくれました。私ははっきりものを言う方なのですが、そんな私の意思をしっかり受け止めて実行し、「これが足りない」「ここはこうしてほしい」「これはイメージと違う」と伝えると、すぐにまたアクションを起こしてくれました。「この人となら一緒に突き進んでいける」と確信できました。ですから私はつねづね、中川さんを「JPデジタルの創業メンバーだ」と言っているんです。

中川貴登(以下、中川):私も、飯田さんとの出会いが人生のターニングポイントになりました。私は、JPデジタルで働いて初めて「ビジネスは激動だ」と実感したんです。仕事を通じて感動して涙するってあまりないじゃないですか。それくらい夢中になって熱中できる仕事って中々ないと思うんです。

おっしゃる通り、私はJPデジタルを自分の会社だと思っていました。今までのコンサルビジネスは、例えるなら監督やコーチに近く、アドバイザー的な立ち位置が多かったように思います。でも、それではもうビジネスのスピードに追いつけないんです。伴走とも違う。プレイヤーとして同じゴールを見据え、一緒にビジネスを作り上げるプロフェッショナルになりたいと考えるようになりました。

JPデジタルでは、飯田さんと一緒に戦略を作るところから実務、会社印を作って法務局に持っていくところまで、本当に何でもやらせていただいています。いつの間にか、飯田さんが「あの資料」と言ったら「もうできてます」みたいな感じで、コミュニケーションを超えた進め方ができるようになっていました。

もう一つ、飯田さんから学んだことがあります。それは、「やってみなはれ」の精神でチームメンバーにどんどん権限委譲していくことです。みんなの可能性を信じているんだと感じました。私は今、Ballistaという会社を立ち上げ、メンバーの採用をしている最中ですが、飯田さんのチームづくりを参考にしていきたいと思っています。

1カ月で選手交代!? 一人ひとりの”とんがり”を育てるマネジメント

飯田:チームづくり、組織づくりで大切なのは、小さなことでもいいので一人ひとりが成功体験を味わうことだと思います。ただ、人には向き・不向きがあります。向いていないことで成功体験を得るのはやはり難しいわけです。リーダーは、一人ひとりの強みを見極め、いいアウトプットができるよう促していく必要があります。

JPデジタルでは、スクラムといって取り組むテーマによってチームを編成しています。「この人はこのテーマよりこっちのほうが合っている」と分かれば、早いときは1カ月で配置転換するんです。

私が最初にスクラムを導入しようと言ったときは、皆さんキョトンとしていましたね。これまでの日本郵政グループにはないやり方ですから。でも、自分に合ってないことを何年も続けるより、合っていることをしたほうが良質なアウトプットが出せるじゃないですか。

1カ月で選手交代となると「私がダメだったのかな」と思ってしまうかもしれません。しかし、それは違います。私のアサインメントが間違っていたんです。それに早く気づき、その人が一番力を発揮できる場所で思う存分活躍してもらえるよう、JPデジタルでは毎月適材適所になっているか確認をしているんです。

人は結果が出ると目をキラキラさせて「え、同じ人?」ってくらい変わります。まずはやらせてみる。そして、なるべく早く見極めることが大事です。

中川:私は飯田さんの采配がすごいと思っています。スクラムが変わった瞬間、人が変わったように活躍して短期間でスクラムを回すくらいになったり、IT未経験なのにやってみたらぐんぐん伸びていったり、人が進化していく姿をこれでもかというほど見せつけられてきました。日本ではジェネラリストを育てようとする組織が多いのですが、飯田さんは一人ひとりの”とんがり”を育てることにものすごく長けていらっしゃるなと思います。

大切なのは、対話と観察

中川:早く見極めるには、一人ひとりときちんと向き合う必要がありますよね。

飯田:私はメンバーとの対話を大切にしています。3カ月、遅くても6カ月に一度は1on1をしています。その際、必ず手書きでメモを取るようにしています。「前回はこんな話をしてくれたけど、今はどうですか?」と。すごく当たり前のことではあるのですが、メンバーのことをもっとよく知りたいんです。

よく観察をすることも大事です。私の場合は、散歩のふりをしてオフィスをぐるっと歩き回ります。メンバーにはただ歩いているようにしか見えないと思いますが。

中川:飯田さんは、ここは改善すべきというポイントを絶対に見逃さないんですよね。それは対話と観察の積み重ねによるものなのだろうなというのは、強く感じていたところです。また、テレワークが増えてからコミュニケーションの取り方が難しくなり、企業によっては出社を促すところも増えているようですが、飯田さんは決してそうではなかった。

飯田:私は「本人が出社したいから出社する」とすべきだと思っています。テレワークの方がパフォーマンスを出せる人も確かにいますし、ご家庭の事情もある。出社しない理由はさまざまです。強要してはいけません。出社してくれたときは必ず声をかけます。「○○さん、久しぶりだね、元気だった?」って。「会えてうれしいよ」って気持ちを正直に伝えるようにしています。

JPデジタルは集大成

中川:飯田さんのリーダーシップや組織づくりの根底にあるものって何なのでしょうか。

飯田:これはもう経験則ですね。私はこれまでグルーバル企業を中心に、4社で働いてきました。1社目のジレットは世界約180カ国で展開しています。2社目のウォルト・ディズニーは社員が20万人以上いて、世界中のパークで日々オペレーションが動いています。この2社は、全国に約2万4000の郵便局を有し、40万人以上が働く郵政のビジネスと非常に近いんです。

日本法人の社長を務めたダイソンはイギリスのベンチャーで、20人くらいの本当に小さなところから作り上げていきました。楽天も、私が入った頃はまだまだベンチャーに毛が生えたような会社でした。社長として楽天アメリカ法人を立ち上げた当初は200人。それが私が日本に帰る頃には3000人規模にまで成長しました。

大きな組織での経験と、小さなところから大きく成長させた経験、そして、海をまたいで仕事をした経験、うまくいったこともいかなかったこともごまんとあるわけです。その集大成が、JPデジタルであり、日本郵政グループなのです。

ジェネラリストからプロフェッショナル集団へ

中川:JPデジタルには、まさに我々Ballistaが目指しているような、小さなスタートアップからフリーランスまで、”個”が立ったプロフェッショナルが集まっています。多くの企業が「前例があるから」とか「大企業だから安心だ」という感覚で伝統的な受発注関係を続けている中、非常に画期的なことだと思います。

これからは、会社の看板ではなく、「あの人だから一緒にやりたい」という発想に立った組織づくりが主流になっていくと考えています。

飯田:私もそう思いますね。私がいたグローバル企業はいわゆるジョブ型雇用でした。「どの組織に所属しているか」ではなく、「この人はどういう仕事ができるのか」が重要なんですね。

これまで一般的な日本企業では、ジェネラリストであることが求められてきました。あらゆる経験をしましょうと。それもすごく大切なことです。でも、お客さまの期待値はどんどん上がっています。より高度な知識と経験がなければ、期待に応え続けることはできません。

私は、JPデジタルをCoE(センター オブ エクセレンス)、つまり、専門性を持ったチームにしたいんです。一人ひとりの強みを引き出し、専門性を高め、お客さまに提供するサービスの価値を高めていく。これからの組織づくりには、そういう視点が必要だと思うんです。

中川:まさにBallistaも、”個”を信じ、”個”を覚醒させ、その可能性を育むことによって、唯一無二のプロフェッショナル集団を構築しています。飯田さんのような考えを持つ方に「XXさんだからお願いしたい」と思ってもらえるよう、我々Ballistaはこれからもプロフェッショナルとして挑み、仲間とともに社会課題の解決に取り組み続けていきます。