Ballista

Ballistaが選ばれる理由

Reason

  • 合同会社GITY
  • 代表取締役
  • 神保 良弘様

“地方創生×次世代の未来“を創るコミュニティ(DAO型)とデジタル田園都市構想の実現に向けて ~学びと成長、繋がりと共創が交差する新しいシェアオフィス空間「GITY」神保氏とともに〜

人生を懸けて、“地方の未来ある学生”たちが自己実現できる世の中の基盤となるハブを創る


(写真左:弊社代表 中川貴登、右:GITY代表 神保良弘さん)

中川貴登(以下、中川):なぜ群馬でGITYをつくろうと考えたのでしょうか?

神保良弘さん(以下、神保):もともと実家が群馬で大学も群馬大学に通っていました。大学卒業後は20数年東京で働いていましたが、最終的には自分を生み育ててくれた地元に帰りたい、貢献したいという気持ちが漠然とありました。ただ若い頃はキャリアアップに焦点を当てており「地方創生」という概念をあまり考える機会がありませんでした。40歳を過ぎキャリアがある程度構築され、自分自身のキャリアアップに興味が薄れてきた頃、次に考えるようになったのが学生たちの将来についてでした。自分自身に子供が生まれたこともあり、学生たちが将来困らずに自己実現できる世の中をつくっていきたいと考えるようになりました。

中川:学生たちの将来について、どのような課題感を持っていたのでしょうか?

神保:当時、東京で採用や人材育成の仕事にも携わっていたのですが、その中で人材育成は早ければ早い方が良い、社会に出てから何かを得て変わろうとしても手遅れかもしれないということを深く認識しました。
そんな時代の中、群馬の学生と東京の学生では、大きな情報格差があることに気がつきました。それどころか格差が生まれていることにさえ気づいていない学生たちが沢山居ます。東京の学生と同じ方法で戦っても絶対に勝てないという事実を痛感したため、その事実をきちんと伝え、変えていくために、地元に戻り我が子だけでなく未来ある群馬の学生たちの教育を自分が変えようと考えました。

中川:学生にとって、GITYはどのような場なのでしょうか?

神保:群馬に戻ってきて先述したような現状をどうすれば打破できるのか、実際に群馬の学生にヒアリングをしました。まず始めに浮かびあがってきたのが、デジタル化が加速する現代社会に適応しようとしても、そもそもその情報を知ることができる場所や機会がないという問題でした。そこで、熱量を持った学生たちが情報を手に入れたり、新しく何かをクリエイティブしたりする場を提供したいと思ったのがこのGITYの一番の創業起源ですね。
GITYを創る際に、地方創生ですとか、コミュニティから学び続けられるような持続可能なエコシステムを作るには、どのようなコンセプトの場があった方が良いのかを考え、思い至ったのが GITY 内にひとつの街並みを作り上げることでした。デジタル化することで効率化が図れるものを設置したり、ある程度自由に作り替えたり、個の表現を示すことができる壁や部屋を作ることで、ただ情報を入手するだけの場ではなく、学生のクリエイティブな能力を伸ばすことができる場づくりを心掛けました。

コミュニティの成長に欠かせないモチベーションが維持される仕組みと場づくり

中川:コミュニティづくりにおける成功の秘訣は何でしょうか?

神保:複雑に絡みがちな仕組みを綿密に考え、デザインすること。実際にコミュニティを作り、回し続けるためにあらゆる事を想定し、それに対してどのような対策を取るのか熟考し、デザインすることが重要だと考えます。
また、ブランディングの枠組みをしっかりつくることも大事です。学生は事前登録をすることによりGITYを無料で利用できますが、代わりにこの場でどのような活動をするのかも同時に登録しなければなりません。そのようなキャッチーな形態を取ることで、メディアが興味を持ち足を運んでくれるだろうという想定と仮説を、枠組みとしてはっきりつくった上でコミュニティを運営しています。

中川:一人一人のモチベーションを理解した上でコミュニティの仕組みが回るような設計はすごく興味深いですね。コミュニティが持続・成長するのか、衰退するのかはそこに関わる人や企業のモチベーションが大きく影響を及ぼすと思っています。学生が自主的に作ったものやサービスにインセンティブが発生する仕組みも活発なコミュニティになる要素かと思いました。

神保:モチベーションのコントロールというのは前職のデータ系の会社でPMとしてプロジェクトに関わっていた際に重きを置いていたことのひとつです。相手を見てどうすればモチベーションを維持できるのか判断していますが、その中のひとつとして学生の行動に応じてインセンティブを与えるという仕組みを作りました。ただ、街づくりやコミュニティづくりという点においてこのようなマネジメントを重要視した考え方をできる人や企業はまだまだ少ないですね。

大学生×GITY:地方だけど、可能性やチャレンジの機会が見つかる場。起業家への第一歩を踏み出す


(写真中央:GITYを利用する学生 秋山優)

中川:GITYを利用している理由は何ですか?

秋山優(以下、秋山):GITYは学生にとってすごくうま味のある場所です。普段なかなか関わることのできない企業の方と繋がりを持つことができるのはもちろん、神保さんが主軸となって様々な機会を作ってくださり、「やりたいのであればやっていいよ」と学生の自主性を重要視してくださるところも魅力です。やる気があればその分だけ成長できる場、それがGITYだと思います。

中川:学生が自らチャレンジできる場は魅力的ですよね。

神保:明確に「これにチャレンジしたい」という意思を持てる学生は非常に少ないです。「やりたいこと」というのは、実際にやってみてからでないと、それが本当に本人のやりたいことなのかは判断できません。
群馬に戻った際に地元の学生にはその機会すらないと感じました。インターンに行きたくても希望する職種のインターン先がない、アルバイトをするにしてもファミレスやコンビニなどの限られたものしかない…結果、「やりたいことをやってみる」という機会を失った学生たちは一般的な就職活動に終わってしまいます。GITYはその現状を崩すきっかけになれればと思っています。

中川:このGITYという場を通して将来やってみたいことはありますか。

秋山:自分で事業を起こしてみたいです。どこか既存の企業に所属し社会の歯車となってしまうと、会社全体を見て管理する能力はなかなか身につかないと考えています。起業するために何か尖った武器を持つことは、私がGITYを利用していく中での重要なミッションだと考えています。

中川:弊社でも「個」の可能性の重要さというのは常々発信しています。「個」の可能性というのは、つまり、周りと関わっていく中で自分自身が変化したり成長できたり希望を持てることだと考えていますが、GITYに入ってそれは感じることができましたか?

秋山:すごく感じています。

神保:嬉しいですね。学生がそう言ってくれるだけでGITYを作った甲斐があったなと思います。そんな学生たちが増えていった先に、学生同士で繋がって起業したり何か新しいものを作ったり、そういった世界が実現していってほしいです。

GITY×Ballista:価値観を共する仲間で社会を変えていく。

中川:数ある会社の中からBallistaを選び協業しようと思っていただいた理由は何でしょうか?

神保:社会や、社会に所属する個々人に対しての企業の価値観やデザイン像が似ているなと感じたからです。
Ballistaの掲げるビジョンやミッションはGITYととても類似しています。「個」の可能性を重視した、自律分散型で対等な関係性でものづくりや社会づくりをしようという姿勢に共感しました。
私は、自身の会社はある程度基盤が出来上がったと思っています。しかし、会社を更に大きくしたいという気持ちはほとんどありません。定年退職して自分が現場から居なくなった後も、作った仕組みが機能するようにしたいというのが今一番の目標です。Ballistaはちょうど今成長過程にいる会社だと思いますし、同じ思想を持った会社が大きくなって欲しいという思いから協業を決意しました。
会社を経営していく上で、一番重要であり一番難しいのは人間関係だと思っています。若いうちは熱量でそれを乗り越えてきましたが、自分より若い世代が育ってきた現在では次の世代に自分の思いを共有し、それを更に次の世代へと引き継いで行ってもらうような仕組みを作るのが一番理想的です。そう考えた時に、Ballistaは次の世代が輝けるような社会を共に創り上げていきたいと思える相手でした。

中川:Ballistaと一緒に何を実現していきたいと考えていますか?

神保:まずは地方創生ですね。デジタル田園都市国家構想が進む中での街づくりや新規サービスを作っていく際のコンサルテーションをお願いしたいです。新規サービスについては得意な学生たちと一緒に作っていけたらと思っています。また、コンサルの仕事を生の声で発信してくれる企業はまだ群馬県内では少ないので、講演や勉強会など、学生たちが直接話を聞くことのできる機会をぜひ作って欲しいです。

中川:Ballistaは領域をコンサルティングだけに留めていないので、今後Ballistaが作った事業で有用なものがあればGITYに提供できたらとも考えています。

神保:逆にGITYに居る学生たちが作ったサービスをBallistaにプレゼンして、試験的に運用してもらうことも良いと思います。

中川:ぜひ実現したいです。実現に向けて一緒に共創させてください。本日はありがとうございました。